本文へスキップ
鴨部東活動組織は、地域ぐるみで農業施設の長寿命化、良好な環境・景観形成に取組んでいます。

電話でのお問い合わせは087-895-0318

メールでのお問い合わせはこちら

鴨部東活動組織コンセプト

鴨部東活動組織の概要

 鴨部東地区は、香川県の東部、さぬき市(平成14年4月5町が合併)の旧志度町に位置し、西部を流れる鴨部川の右岸に拓けた純農村地域である。

 本地域は、地形上、多くの小規模ため池に依存するなど水資源に恵まれず、江戸時代には隣接する津田町を流れる津田川から取水していた。

 その後、昭和58年から10か年をかけて県営補助整備に取り組み、農地158haの区画整理とともに、小規模なため池をパプラインで結ぶなど水利統合を行い、香川用水の導水とも相俟って安定した農業用水が確保されることとなり、米麦に野菜を組み合わせた複合経営が主体の地域である。
 
 鴨部東活動組織は、県営ほ場整備事業で整備した地域が主な活動エリアであり、平成19年度の制度創設時から「農地・水・環境保全向上対策」に取り組み、U期対策では周辺地域へ波及効果から新たに9haが加わることとなった。

 協定面積は、77.04ha。構成員として農業者をはじめ、水利組合や土地改良区、自治会 、老人会、子供会で構成され、これら各種団体が連携し活動を展開している。

 平成26年度から多面的機能支払制度で農地維持支払が加わり、従来の資源向上支払と共に活動を継続している。

 これらの活動の成果として、本活動を通じて農家間に連携の活性化や連帯感が醸成され、本対策の取組後、協定面積の約3分の1に当る25haの農地が認定農業者に流動化されるとともに、配水管理体制の整備や、基幹水利施設であるパイプラインの補修・整備をはじめ、ゲートやポンプの塗装など計画的に実施している。

 また、地域農業の将来を見通し、新規作物の導入をはじめ、エコファーマーの認定の取得や、若い担い手の営農への積極的な参入につながり、「人・農地プラン」を平成25年度で活動地域全体を対象地として作成した。

 一方、地域ぐるみの活動として「コスモス祭り」10月下旬)は、県内外から約3,000名の見物客が訪れるイベントととして定着するとともに、地元鴨部小学校と連携し、環境教育の一環として水路(7月)とため池(10月)を対象に「古里の生き物調査」を開催している。


本対策に取り組むこととなった経緯

 
 本地域は、農業者の現象や高齢化に伴い、農道や水路等の土地改良施設の草刈りなどの維持管理が困難となっていたことに加え、水稲の害虫である「カメムシ」の被害が多く発生するようになり、地域としての取組が強く望まれるようになっていた。

 また、従来から多く見られた「蛍」や「ヤリタナゴ」、「メダカ」などが少なくなるなど、地域環境の悪化が顕著となるなど、その対策が強く望まれる状況となっていたことから、本対策に取り組むこととなった。


活動の成果

 
 地域ぐるみの活動を通じ、農家間の連携についても活性化したことから、地域農業の将来を見通し、新規作物の導入機運が高まり、「ブロッコリー」や「なばな」、「ニンニク」などの栽培に5戸の農家の取組が始まったところである。

 また、現在、2戸の農家と少数ではあるが、エコファーマーの認定を受け、有機無農薬米の栽培にも取り組んでいる。

 さらに、若い担い手についても、2名ではあるが、地域ぐるみの活動を通じて地域が抱える課題等を認識するようになるなど、農業に対する意識が変改したことから、営農の積極的な参入につながったと考えられる。

 本県特有の厳しい水事情から、従来の慣行水利を優先する傾向にあり、円滑な配水が出来なかったが、資源保全活動を通じて配水管理体制が整備され、永年の懸案であった配水が円滑に実施されるようになるなど、地域の課題は地域で解決するよう意識の変革が進み、農家間の連帯意識の向上なども相俟って、農地の流動化が円滑に推進することとなった。

 若い担い手の育成と同様に、若手地域リーダーについても、地域活動を通じて地域が抱える課題等を認識し、地元農産物の販売促進をはじめ、課題の解決に向けて自ら行動するようになるなど、農業に加えて、郷土愛など地域に対する意識が変化したことから、若手の育成につながった考えられる。

 鴨部小学校と連携して、古里の生き物調査を実施することにより、地域内の水路の生き物の多さにびっくりし、環境保全の大切さを自ら学び、将来にわたり環境保全をしようと「クローバ集会」で発表していた。

 また、これまでの活動の成果が認められ平成25年1月、中四国農政局長最優秀賞を受賞した。


 


inserted by FC2 system